デザイン

 デザインは一般的にアーティスティックなものとか、右脳全面の抽象的なものとか考えられていると思う。実は、デザインするということはすごくロジスティックで科学的なものなのである。ユーザーの統計を取ったり、心理学を用いたり、綿密なデータを元に作られる。デザインにはコンセプトが非常に重要である。コンセプトとは制作チーム全員の最大公約数ではあるが納得のいくカタチであり、方向性を示す羅針盤である。コンセプトなしでデザインを開始するとそれは芸術へと成り上がってしまうもしくは、ただ単純に機能だけを満たすシンプルなものとなってしまう。機能ありきのデザインが素晴らしいとぼくは思う。デザインありきの機能なんて本末転倒である気がする。デザインに自分らしさを出すというのは無い。強いて言うならその機能にどう向き合うか、その姿勢がデザイナーの個性である。

 今、アプリを絶賛制作中であり、デザインを担当している僕は頭を抱えている。なぜならコンセプトも方向性も雰囲気も全然見えてこないからだ。機能さえあれば何とかなるだろうと考えているプログラマの人たちとは言語が通じないようだ。しかし機能を実装するにもそうとうな労力がかかるということを僕は体感していないから、そこでも思考に差が生まれてしまうのはしょうがないことである。モックコンテストという、もう一度アプリのコンセプトに立ち返ろうという貴重な機会を設けられている。3週間後には企画案を提出しなければならない。審査基準の「流行るか、ハマるか、実現可能か」にはとても共感ができる。だから、コンテストには本気で望みたい。本番で賞を取っても泣く、取れなくても泣く。俺は全力を尽くして考え抜きたい。デザイナーとしてデザインするスキルを上げることはもちろん、アプリについて一から考え直して、世の中の人が何を求めているのか、欲求、生活、伝え方について追求していく。その先に、アプリのコンセプトがあり、機能があり、最後にデザインが決まるのだ。なんとなくでデザインなど出来る訳がないし、納得がいかないモノをデザインなどできないというのが持論だ。